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リノベ豆知識

なかなか聞けない!リノベーション現場の舞台裏を大公開‼

リノベ豆知識

今回の名人

中野店 Ishizawa

なかなか見る事の無い、リノベーションの現場ですが、工事期間のなかで大変だった点など裏側をインタビュー。

今回は「戸建てフルリノベでひろびろLDKに。念願だったオープンキッチンが住まいの主役に」で施工事例をご紹介しているM様邸のリノベーションの舞台裏をお見せします。 

 担当した石澤さん、施工の北村さんになかなか聞けない舞台裏、苦労した点などをインタビューしました。

 鉄骨造3階建ての戸建て住宅、2階を中心に解体から完成まで3か月を超える工事でした。

解体工事について

解体工事の際には事前調査でアスベスト調査を実施していますが、これは何のためですか?

石綿障害予防規則の改正によって、建築物の解体等の工事を行う際にアスベスト含む建材が使われている疑いがある場合事前調査が必要となりました。今回は構造が鉄骨造で被覆されているということもあり鉄骨の吹付材が対象でした。

解体後の様子

採取した検体

検査機関に検体を送って検査をしてもらいます。1週間程度で検査結果が送られてきます。

検査結果

 

今回はアスベストは検出されずという結果でした。安心して工事を進められます。

リフォームの際には検査費用とアスベストが含有されていた場合は別途廃棄費用が掛かってきますが法令にのっとって処理を進める必要があります。工事では、お施主様はもちろんのこと、工事に携わる全ての人や近隣様の安全に配慮し施工をしております。

※事前調査には建築物石綿含有建材調査者講習を受講し、修了したもの【建築物石綿含有建材調査者】の資格が必要です。当店では有資格者が在籍しております。

 

鉄骨階段について

改修前は屋上に登る鉄骨階段はどのような状態でしたか?               

今までの階段はあまりに急なため手すりにつかまっても直線部分を降りる際に危険を感じるということでした。実際高さと急こう配で降りるのが怖かったです。

施工前

 

らせん階段にした理由は何ですか?

降りる際になるべく恐怖心を感じないように、設置スペースはとられますがゆったりとした幅のらせん階段に改修しました。素材は亜鉛メッキ鋼板を使いました。丈夫な皮膜があるので塗り替えの回数が少なくて済みます。

施工後

配管について

水廻りの位置を移設する際に苦労したところを教えてください。

今回水回りの位置を大幅に変更することになり、キッチンはLDKの中央にアイランドキッチンを取り付ける計画でした。また、なるべく段差をつけたくないとのご要望もあり、下の階へ穴をあけ、1階の車庫部分の天井下に配管をしました。今回は車庫でしたので、比較的やりやすい状況でしたが、下の階が部屋の場合は、工事範囲外でも養生等が必要となり、配慮が必要な工事となります。

施工中                                  施工後

 

断熱施工について

鉄骨造は木造と違い外壁と内壁の間に隙間が少ないこともあり、断熱材を入れるのが難しいです。断熱材は薄くても効果の高いものを選ぶ必要があります。省エネにもつながるので断熱施工はとても重要です。

 

こだわりポイント☆折上げ天井について

鉄骨造の梁と天井高さにに制限があり施工がとても難しかったのですが、高さいっぱいに折上げ天井を造作しました。

折上げ天井を採用することで、天井が高くなり、部屋全体に広がり感が生まれます。またデザイン的なアクセントとして、空間に特徴を持たせることができます。モダンで個性的な雰囲気を作り出すことが可能です。高さと深さを計算しながら、間接照明がキレイに見える大きさで造作していきます。

採用する際に注意点としては、構造によっては難しいこともありますし、天井を2重に作るので通常より費用がかかります。

施工中

 

完成したLDK 照明は5シーンまで切替記憶ができるマルチコントローラを採用しました。シーンを選べて空間演出の幅も広がります。

施工後

 

 

こだわりポイント☆ハイドア

高さを天井いっぱいに取り付けるドアは部屋をスッキリと広く見せる効果もあり、インスタグラムなどでも人気が出てきています。一般的なドアサイズを設置する場合は、下がり壁(垂れ壁)があるため、ドアを開けている状態でも、上部に壁が残ってしまいます。

ハイドアを選び、下がり壁を取り払ってしまうことで下がり壁がなくなるので、ドアを開けた際に見通しがいちだんと良くなり、空間を広く感じることができます。また、室内から見たデザインも下がり壁がなくなることで、無駄なラインがなくなり、とてもシンプルで洗練された空間になります。

施工の難易度は上がりますが、すべてのドアが天井の高さまで取り付けられた部屋はスッキリとして効果はバツグンです。

 

こだわりポイント☆格子を造作☆

間取りを決める際、最後まで悩んだのがトイレの配置や視線をどうにかして緩和できないかということでした。トイレ前のスペースに合わせて格子を作成してもらい、クロスと同色に塗装をしあげてもらいました。空間に区切りが出来、視線の緩和をはかることができました。

 

防水工事について

屋上は前回防水してから15年以上が経っていることもあり、劣化が進んでいる状態でした。ウレタン防水で施工しました。ウレタン防水材は、基材に密着しやすく、また柔軟性があります。これにより、構造物の動きや変形に対応しやすく、防水効果が持続しやすいです。他には耐候性が高く、太陽光や雨などの自然環境の影響を受けにくい特性があります。

また、施工が比較的容易です。 液状のウレタンを塗布することで、複雑な形状や細部にも効果的に防水施工できるため、施工が比較的容易です。

工事後は 定期的なメンテナンスが欠かせません。保証が10年となっていますが、定期的な点検と必要に応じた補修を行うことで、防水層の寿命を延ばすことができます。

Before~After                                          

断熱窓に交換

窓をカバー工法にした理由

西日が強くて困っていました。ガラスが単板のため、暑さと寒さがきつかったようです。

もとは大きな連窓でしたが、中央の方立てを残すため引違い窓x2に替えました。

内窓設置の選択肢もありましたが、よりスッキリと見せたいので今回はカバー工法を取り入れました。

解体後                              

 

玄関ドアの交換

苦労したところを教えてください

玄関ドアは当初片開きドアでガラス部分もなく殺風景なドアでしたのでデザイン性のあるドアに変えたいと思いました。玄関収納の位置が入って右側でしたが、左に移設することでドア開口を広げ親子ドアにすることが出来ました。大変だった点は、親子ドアにするため、外壁を壊して開口を広げる際、開口補強をしたり、ドアの高さが既存の天井より高かったため天井部分を一度壊し高さを調整したことです。施工後はドア開口も大きくなり、ガラスから日差しも取り込むことができ、エレガントな雰囲気のドアにできたのでご満足いただけたと思います。

 施工前

 

施工後 LIXILジエスタ 親子ドア

 

今回の工事で特に印象的だった出来事を教えてください。

お施主様はSNSなどを熱心に研究されていて、インテリアのご要望のレベルがとても高かったのですが、やりたいことがはっきりしていたので現場はスムーズに進みました。すべての計画や設備機器、仕上げの材料にこだわりがあって、細かいディテールもあり、途中何度か設計者と施工者の間ですり合わせが必要なこともありました。ハイドアの引込戸、折上げ天井など難易度の高い施工は大変でしたが、やりがいのある現場だったと思います。現場担当の北村さんと職人さんたちの協力のおかげで仕上がりとてもきれいでご満足いただけるものとなりました。

 

Before                               

After

今回ご紹介しました事例はこちらをクリック↓

戸建てフルリノベでひろびろLDKに。念願だったオープンキッチンが住まいの主役に。